2023年3月の雑木林

若葉3・1会 キンランの移植に挑戦

3月5日(日)晴れのち曇り 参加者5名

冬枯れの第二緑地。落葉樹の葉が落ち、日当たりがとても良いです。隣接の宅地が解体されると、日照条件が変わってさらに明るい森になりそうです。

隣地側の土地にキンランの株が多く生息しています。宅地の解体工事業者と話し合い同意を得た上で、キンランの株を掘り起こしました。そして、先月の活動で植樹したコナラの株元にキンランを移植し、共生環境を作れるかどうかを試してみることにしました。

キンランはクヌギやコナラなどの樹木の外生菌根菌から栄養を得て共生するため、キンランの栽培は植物のプロであったとしてもほとんど不可能に近いといいます。もし、この移植がうまく行けば、4月-5月に黄色い花が咲く見込みです。13株を移植。一つでも二つでも、成功してくれればと思います。

ナラ枯れ被害にあい、巻き付けていたラップを一度取り外したシラカシの幹です。カシノナガキクイムシの入り込んだ穴から樹液が流れ出ていました。今後、45㎝幅の幅広のラップを改めて幹に巻きつける予定です。

ヤブツバキの花、ヒイラギナンテンの実、ヤツデの実。ヤブツバキはふっくらしたつぼみが可愛く、大輪の花がたくさん咲いていて、とてもきれいでした。(内堀)


若葉緑地の会 菫と桜の季節

3月12日(日)晴れ 参加者4名

 年が明けてから2か月間の雨量が平年の4割で、「乾いた冬」であることを先月書いた。3月に入ってからも活動日の12日までは雨量ゼロが続いた。そのせいか、落葉の分解が進まず、いつもの冬に比べて、葉の形を残して嵩(かさ)のあるまま地表に積もっている。そこで第一広場(杉の林床)、第2広場(崖線上)の落葉掃きを行った。そのほか、北側民家のフェンスに絡まったクズなどの除去、付近の笹刈り、散策路の横木補修など。

 もともと落葉が溜まらない「青空広場」では、早春に顔を出すオオイヌノフグリ、ハコベ類などがほとんど見られず、裸地状態が拡がっている。これも「乾いた冬」の影響か。

 南広場の「スミレ保護区」では、蕾を付けた花柄(かへい)の伸長が全く見られず、花が遅れ気味。雨が来ないと成長のスイッチが入らないのではないか。そう思っていたら、活動日の翌週から雨模様の日が多くなって、23日~25日には60㎜を超える降雨があった。

 24日の雨の止み間に「スミレ保護区」に行くと、一斉に開花していた。昨年よりも一回り以上大きくなった株が三十は数えられる。従来、やや遠慮がちに咲いている感のあったマルバスミレが、今年はしっかりした株をつくって存在感を放っている。白花の花弁が半透明のガラスみたい。マルバよりも植物体が大柄なタチツボスミレは、薄紫の花弁に露が載ってみずみずしい。

マルバスミレ(3月24日撮影 以下同じ)
タチツボスミレ

 12月にソメイヨシノの古木を伐採した「桜広場」では、残された一本が24日に満開に。ずいぶん前から、すごく高い先端部にしか花が咲かなくなっていて、足元に散った花で開花に気づく。今年もそうだったが、手前に茂っていた古木がなくなって淋しげだ。

 ふと足元を見ると、直径1mもあるソメイヨシノの切株から鮮やかな若緑の「ひこばえ」が顔を出しているではないか。伐採によってできたギャップにはやはり桜を植えたいとの意見があるが、桜の萌芽更新という発想は、私にはなかった。ネット検索すると鶴岡公園桜等樹木更新計画書には、萌芽更新によってソメイヨシノを更新する計画が記されている。「連作障害」を防ぐ方策でもあるという。(大村) 

1本だけ残ったソメイヨシノ 右手奥にコブシ
ソメイヨシノの「ひこばえ」 

カニ山の会 カニ山のササがある日突然刈り払われた!

3月12日(日)晴れ 参加者12名

前日(3/11)の「樹林地の継承と維持管理のあり方」講演会終了後、今後の作業について話し合いを行ったが、その席で話題となった場所(業者の下草刈りの状況)を最初に皆で巡回し、理解を深めた。

当会の保全作業場所も業者の下草刈りが行われ、考えながらすすめてきた作業の苦労が無駄に…

業者が刈り取ったササが山と積まれ木も隠れるほど。

今日は東樹林のササ刈り及び落ち葉掻きを予定していたが、委託業者による突然のササ薮伐採が実施されその後始末も終っていない状況なので、東樹林南下段区域の作業は保留にし、主に上段のササ及び実生稚樹の除伐、常緑樹の刈り込みと、落ち葉掻きを行った。

林床への無闇な進入を防ぐため通路際は1m幅で帯状にササを刈り残し樹林内は地際で刈取る。刈ったササは分解し難いので中間廃棄場に搬出、廃棄する。落ち葉は回収集合し上段の落ち葉溜に集積する。通路沿いのササ帯が途切れ、踏み跡が通路のように樹林内に伸びる箇所を封鎖する。などに留意し作業を進めた。

また樹林東エリアで出た除伐枝を加工した柱杭を打込み、業者の刈取ったササを絡めてしがらみ柵の設置もした。

進入路を防ぐ柵

中央広場東南隅でアマナなどの生息域を会として保全している。子供の走り回る場所で杭は危険なので、ここも刈り取られたササをアーチ状に並べ刺して囲いを作成した。

花壇風の野草囲い

今年は春先に暖かい日が続き野草も今が花盛り。

左上からモミジイチゴ・フキ・ヒメカンスゲ・シュンラン・ツバキ(ヤブツバキ?)

市との協働でのカニ山管理作業は市職員と管理を請け負っている方や作業業者など様々な方との連携が必要。特に市職員は異動も多くスームーズな意見交換が難しい。今後も里山としての崖線樹林を残すには意思疎通と連絡が欠かせない。(S&K)


入間・樹林の会

2023年3月19日(日)晴れ 気温9℃ 参加者7人

林内を巡回中に、ナラ枯れで伐採されたマテバシイの切り株や入口のシラカシなどにブロック液が塗布されているのを確認した。ニリンソウの柵の整備を簡単に行い、坂道横の水留め柵の修理と2月に続いて三角地の作業を決め、分かれて作業を行った。

三角地奥では、刈り残しの笹刈りとアジサイ群生地のアズマネザサ刈りとアジサイの剪定を行い、マンション側の道路からも見落としよくし、景観に配慮した作業とした。新左エ門坂横の斜面地は、これまでの駐車場からの雨水流で土がかなり流されており作業したメンバーから土留め用の植物の補植の必要性が提案された。

以前は7番枠は、キチジョウソウが90%を占めていたが、ここ10年は、10%にも満たないようになってきていることから、かなりの土の流出といえる。4月に根本講師に相談して対応を考えていくことにした。

初めてメンバーがアズマネザサの花を見つけたのをはじめ、入口のコブシの花が目だつようになっている。カラスノエンドウ、オオイヌフグリ、ヒメオドリコソウ、キュウリグサ、ノゲシ、アオキ、ヤマブキ、シャガ、ツバキ、サザンカと春の花が目立ってきている。鳥は、ヒヨドリ・シジュウカラと鳴き声は少なかった。(安部)

芽吹きをはじめた樹林地
入口のこぶしが目立ってきた
ニリンソウ
カマキリの卵
アジサイの花が楽しみ
伐採したマテバシイの株にカシナガブロック塗布
シャガ