2024年7月の雑木林

若葉の森3・1会 カシナガモニタリングと生態系被害防止外来種

7月7日(日)晴れ 参加者6名

第1緑地の様子
ヨウシュヤマゴボウが人の背丈を超えるほどに大きくなった。
通路脇のクサギ、シラカシ、笹が成長繁茂し通行の妨げになっていた。

第2緑地の様子
住宅建設が進んでいる。境界近接の住宅は緑地に迫る感がする。
北側の住宅隣接地でオニユリとセイヨウオニアザミが咲いている。
6月7日に移植したカキカキ、クリ、 ガマズミ、ムラサキシキブ、エゴノキは順調のようだ。

1.苗木移植の事

宅地開発業者から提供された苗木9本が6月7日(金)に持ち込まれ、直ちに移植作業を行い ました事報告します。
作業は、根元の保護ポットを外し6月の活動日に掘り上げた穴に入れ土で固めた上で充分過 ぎる程水やりを行った。
クリとシブガキが結実すれば近隣の子供達と 「栗拾い」 や 「柿もぎ」 が楽しめるかも。

移植したのは
クリ1本
エゴノキ1本
シブガキ1本
ムラサキシキブ1本
ガマズミ4本
(全て多摩産の苗木)計9本

クリ((立川産)・シブガキ(立川産)

2.カシナガモニタリングの事

6月中旬から始めている今年のカシナガモニタリングで第2緑地にセットされているトラップ8個 手分けしてカウントした。タッカーで取り付けてあるトラップを、ペンチで外し網付きのトレイに捕獲したカシナガを移しピンセットで1頭1頭数えた。
捕獲ゼロのトラップもあったが、捕獲数286頭と81頭のコナラがあり今年も被害拡大を予想する結果となった。

カシナガモニタリング調査の様子

3.生態系被害防止外来種、セイヨウオニアザミの事

第2緑地で野鳥の棲家として刈り残しているオカメザサ北側のコーナーでオニユリとセイヨウオニ アザミが咲いていた。
普段はあまり立ち寄らない場所で今回宅地開発で目にとまるようになったもの。
オニユリ近くの畑にも咲いており植栽と思う。鮮やかな橙色の花の身近なユリ。

セイヨウオニアザミ セイヨウオニアザミは、アメリカオニアザミとも呼ばれ環境省農林水産省により生態系被害防止外来種に指定されている。
繁殖力が強く在来種への影響が懸念されている外来種。
このコーナーでもクズやオカメザサに負けずと大きな株を形成しており駆除の要あり。
船橋市・八千代市・野田市で駆除の要請が出ております。調布市内生息状況は如何でしょうか?
又調布市でも駆除要請が出されていますか?

オニユリ・セイヨウオニアザミ
(小野)


カニ山の会 林内に散らばる枯損木などの片づけ

7/13(土)晴れ(暑い)参加者10名

体験ボランティアの受入れを前提に、8月はキャンプ場北エリアの草刈りを予定した関係で今月も東樹林エリアの整備をする事になった。今日のメインはあちこちに無秩序に置かれている枯損木と伐採・剪定で発生した枝や枝葉の片づけ。と言ってもカニ山から持ち出し廃棄するやり方(枝・葉を分けてゴミ袋に入れておく/自然広場北側入口付近にまとめ置くetc)としての市からの提案は実際の作業では現実的ではない。とりあえず今日はこれらを選別し(太い木・枝葉・ササ)まとめておくことにした。

もうひとつ、朽ちた太枝や小枝を斜面の等高線に沿って埋め、柵(しがらみ)として置くというやり方もあるとのこと。これは表面を流れる雨水をせき止め土中に浸透させ、埋めた柴や葉が腐ってバクテリアが分解し土壌の養分になり、うまく根が伸びた草木は土壌を繋ぎ、水・養分・空気が地中深くに行き渡るという理屈(伸びた草木は又刈り取って埋めるという循環)。但し理屈通りにうまくいったとしても、これはある程度溝を掘って並べた廃棄物に土をかけなければならないので手間がかかるのと、枯れにくいササも多いので量的にもこの方法で全部の処理はむずかしそう。

カニ山会員の意見としては「新たに市が取得したカニ山北側の公有地の中に廃棄場を設置できないか、又はカニ山東樹林に通ずる通路に軽トラックを入れて市として収集廃棄できないか」などが出されたので、再度、市と折衝することになった。

これらを前提に、下段の西側出入口近くに枯枝・剪定枝・枝葉を分別集積する事にして、全員で散らばった枝を回収した。

一方、以前、東側に刈ったササの貯留所を作ったがササは殆ど分解が進まず、うず高くなるばかり。これもなんとかしなければならない。

伐採木に新しい芽生え

今日もかなり厳しい暑さ、11時すぎに作業が一通り片付いた段階で作業終了とする。道具の整備の後30分ほど、会の目指す樹林の形から活動の進め方への不満や問題点など、思いを述べ合った。簡単に結論が出る事柄ではないけれど、できる限り話合いを続けていきたい。(S&K)


入間・樹林の会

2024年7月21日(日)9:30 ~12:30 晴れ 32.5℃ 67.9% 参加者8人

 夜半の雨も上がって猛暑の中、林内巡回をしながら植生調査を行った。雑木林広場37種、ツバキの森 25種、シャガの広場 48種、方形枠調査では2番枠 14種、6番枠 8種、7番枠 7種、8番枠 16種が確認された。ツバキの森では植物の成長には目をみはるものがあり、特に駐車場側のシデ等大木の強剪定が行われたため雑木林広場の通路北側が明るくなり、また下草刈りにおいかけられることが予想される。しかし、通路南側ではギンランが1株みつかったこともうれしいことである。

 花は、アジサイ、カラスウリ、ヤブミョウガ、ミズヒキ、マンリョウ、ミズヒキ、ハエドクソウが咲き、実もムラサキシキブ、ガマズミ、サンショウ、センリョウが、昆虫は、カマキリ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、シジミチョウ、カタツムリ、爬虫類でヒバカリ、ニホンカナヘビの姿も見ることができ、多様性を感じた。坂道を隔ててNTTではヤマユリが咲いていたが樹林地側では再び咲くことがあるだろうか。次回は8月18日(日)9時半~12時半 中高生のボランティアが参加しての保全活動をする予定である。(安部)

① 駐車場側からみた強剪定をした樹林地 

② 植生調査の様子 

③ カラスウリの花

④ ヤブランの花 

⑤ ヤブミョウガの花

⑥ ニホントカゲ

⑦ ヒバカリ

2024年6月の雑木林

カニ山の会 ボランティア講座生とササ刈りなど

6月8日(土) 晴れ 参加者8名(その他 講座スタッフ2名及び講座生1名)

今日の作業エリアはキャンプ場北(ドングリの森)の草刈りを予定していましたが、会の希望と講座内容との兼ね合いを講師と連絡し合い、基本作業は東樹林エリア下段の草刈り(主にササ)になりました。

道具としてはササ刈り用の鎌、剪定鋏、ミ、熊手、フゴ、そして全員のヘルメット。その他、ボランティア講座の伐採実技実習用のロープ(3)、スリング、プーリー、ムカデ梯子とブルーシートを用意しフィールドに入りました。

作業前のようす

作業区域は、崖線下段の平坦部を受講生の実習で刈って貰うことにして、会員は斜面部のササを刈ることにし、「上部通路際は境界用に1m幅でササを刈り残す。実生のコナラが沢山出ているが気になるものは残し、原則ササと一緒に刈払う。刈ったササは笹溜めにまとめる。」として一斉に開始。斜面でのササ刈りは踏ん張りが必要で骨が折れますが、人数と比較し範囲が広いので十分間隔をとって各人思い思いのペースで作業が進みました。

斜面での草刈りは負担が大きい

全体休憩を10時、11時に挟み、個々のペースで給水タイムを十分採るようにしました。 また11時休憩後には数人が講座実習で伐倒する予定のムクノキに牽引ロープを掛け、ムカデに登りロープを締結、伐倒方向にプーリを設置しロープを張っておく準備もしました。

伐倒方向調整用のロープ設置

ササ刈りは順調に進み、これまで出来なかった東側の方にも刈り進むことが出来、定例作業は昼で終了です。

きれいになった斜面

午後は居残り可能な6名が講座実習を支援。伐採の見守り、斜面下の宅地際に繋がる平坦部の草刈り(主にササ)の見守りとアドバイスをしました。

講座生に伐倒の説明をする講師

カマの使い方などのアドバイスも

15名ほどの講座生が班単位で草刈りをしましたが刈り残して欲しい植物の名前などを教えながら作業してもらい、有難いことに終了時には東樹林全体がサッパリしました。講座生の作業終了と共にカニ山の会員も道具の片付けをして14時半頃散会しました。(S&K)


入間・樹林の会

2024年6月16日(日)9:30〜12:30 曇り時々晴れ 26.5℃ 73% 参加者5人

 5月に続いてマテバシイ広場の民家側のヤブミョウガ・アズマネザサ・ヒヨドリジョウゴの下草刈り、マテバシイのヒコバエや枝、ニワトコの伐採、クズの伐採、アジサイの剪定等を行い、見通しがよくなりすっきりした。下草刈りをする中でケヤキやコナラの実生が見つかったので養生していきたい。他にもムクノキ・エノキの実生もたくさん生えていた。花は、ドクダミ、アジサイ、イヌホオズキ、ツユクサ、マンリョウ、センリョウ、ミズヒキ、ムラサキシキブが咲いていた。昆虫は、カマキリ、テントウムシ、オオミズアオ、カメムシがいた。次回は7月21日(日)9時半~12時半 植生調査と保全活動の予定。(安部)

みた樹林地で枝を伸ばしている

下草刈り前のマテバシイ広場

マテバシイ枝伐採

コナラの実生が

ムラサキシキブ花

アジサイ花 

イヌホオズキ花 

イヌホオズキ実


若葉3・1会 森の保全活動はみんなで前進 宅地開発業者より苗木の提供なる

6月2日(日)曇り一時小雨 参加者4名

昨年10月より、調布市を通じ 隣接樹木14本の伐採に伴い代替樹木の提供を依頼した。調布市の尽力と業者さまの当会のボランティア活動の意義の理解を得て実現した。

1.第1緑地・第2緑地の様子
至る所で新芽が芽吹いていることを確認する事ができた。

2.第1緑地での作業

① 階段部分の補修作業

②コナラの植樹

3.第2緑地での作業 移植用穴掘り

かねてより宅地開発業者にお願いしていた緑地境界に植える苗木9本が6月7日に届く事になり、当日の植え込み作業が円滑にできるよう事前準備として 穴掘り作業を最優先としました。

植える樹木の高さや根本の状態が分からないので、とりあえず直径30㎝深さ30㎝の穴を掘る事で作業に入りました。穴には樹木や笹の根がからみスコップで掘っては絡む根を選定バサミで切り落とし又掘るの繰り返しで苦労しました。

苗木は緑地保全団体としては将来の入居者の迷惑にならないよう境界地のコナラ、クヌギそれに中小雑木を伐採整理した見返りとして宅地開発行業者に雑木林に合った樹木の提供をお願いしていたもの。

今回宅地開発業者から苗木の提供を受けた事は開発業者も緑地保全にかかわってもらえた事で良き先例が出来たと思います。尚、苗木は ガマズミ国分寺産4本、ムラサキシキブ小金井産2本、クリ立川産1本、カキ立川産1本及びエゴノキ小金井産1本 計9本 全て多摩産です。

(岸本)


2024年5月の雑木林

若葉の森3・1会 サトザクラ 発見

5月5日(日)晴れ時々曇 参加者7名

1.第1緑地、第2緑地の様子
新緑が瑞々しく、まぶしい。木々の成長は早く散策道に覆い被さるほどになっている。筍、キンラン・ギンランも期待通り発生・開花した。 蚊も飛び始めた。

(1)キンラン・ギンランの調査結果
 第1緑地 キンラン 3株 ギンラン 0株
 第2緑地 キンラン 193株 ギンラン 14株

(2)第2緑地では

1.アオスジアゲハ4月14日に2頭、4月17日に1頭 無事羽化。卵発見から7か月で成虫になった。
2.コナラ:昨年2月移植した6本の内5本に新芽が出ており根付いた模様
3.キンラン:住宅地開発で緊急避難移植した13株は5株の定着に終る

2.作業内容

(1)第1緑地

1.六別坂の落葉掃き通学児童の安全確保の為に大量の落葉を取り除く
2.道路内浸透桝の泥揚げ。
鎖付の蓋を開けスコップで溜まった泥・落葉を揚げた。作業は2人で行い泥はバケツ3杯位で詰りを解消
3.竹囲いの補修
竹囲いの一部が破損していたのでドリル・ペンチを使い針金で竹材を固定した

(2)第2緑地

1.住宅に隣接する筍と竹林内の間伐を行った

・大きく成長していた筍は、住宅に被害が出ないように「受け口」「追い口」の順にノコギリをいれロープで引きながら慎重に倒した
・孟宗竹で19本、真竹で2本 計22本もの筍を 伐採・排除した
・斜面と竹の葉で滑りやすく苦労したし、太くて重い残材の移動も大変で皆さん「ヘトヘト」

3.動植物

植物:第1緑地で「サトザクラ」を認めた。周囲を整備し保護する事にした
昆虫:本日の蝶 コミスジ、アカボシゴマダラ、アゲハ、クロアゲハ

4.その他

第1緑地の中央部 コンクリート製の「用地・標識杭」が土崩落の為倒れている。土地表示の標識と思われるので 緑と公園課に対応を依頼した。(K)


入間・樹林の会

2024年5月19日(日)9:30~12:30 曇り 23.8℃ 80% 参加者8人

 予定していた市民活動支援センターからの紹介のボランティア学生は都合により参加できなかった。若い力を期待できたが残念だった。8人のメンバーで、林内をはじめに巡回しながら活動を決めた。マテバシイ広場は、民家横のミョウガやクズがはびこっているので、下草刈りをすることにした。夏には草が成長して見通しが悪く、スズメバチに注意するので立ち入らないエリアだが今のうちに見通しをよくしようと、ミョウガを伐採、ツルを伸ばしていたクズの伐採も行い、すっきりした。ツツジやアジサイの花も目出つようになり、民家側との溝も見えてきた。シャガの広場のニリンソウゾーンでは落ち葉を取り除いて光合成を進めたいと一人が手をあげ落ち葉を取り除いた。坂道清掃はアフリカ帰りの若いメンバーが力仕事に精出してくれた。通路に張り出した枝も取り除き歩きやすくなった。メンバーが多いと分担しながら作業ができるので成果が目にみえるのがうれしい。

 花は、ドクダミ、アジサイ、ワルナスビ、オモトが、ミズキ、シロミマンリョウ、ヒサカキ、ヘビイチゴ、センダンの実が確認できた。次回は6月16日(日)9時半~12時半(安部)

① 駐車場側からみた樹林地(地鎮祭があったようなのでいずれ建物が建つ予定)シデが枝を伸ばしているので伐採が求められそうだ。


カニ山の会 全員で草刈り

5月11日(土) 晴れ 参加者14名

今日はかなりの暑さとなりましたが、まだまだ木陰は涼しい。そんな気持ちの良い状況で東樹林の東側エリアの草刈りと実生木の除伐を行いました。

北東面が民家と接する環境なので、此処の緑の保全について、その将来像について、会の中でも方向性が定まらない状況があります。現在のところ先駆樹種のタラノキ、アカメガシワ、そして先駆樹種という言い方で良いのか分からないですがセンダンやキリも幅を利かせ、イヌシデも育って来ています。

大量の草、中央に見えるフワッと白い花はセンダンの木(他にもっと大きなセンダンもある)

これを全て手刈りする

将来像を考えるにも、民家の庭先という立地を考えると単純に雑木林を育てることで良いのか迷うものがありますが、現在のところ民地境界から3~4m幅の立木は伐採し草地にするようにしています。またエリア内全体の下草・実生木は特定の在来種を残し刈り取るようにしています。

女性陣には上部フキの群生地の刈取りから始めて下部(南)に向かって刈り進んでもらい、 男性陣は、中間地点から南の林床部(草・ササ・実生木)の刈り取り。そして中低木密集部の混んだ枝は剪定し、高木に巻き上がって太く(直径3㎝程にもなっている)伸びたクズの蔓のはぎ取などを行いました。

民家塀際フキ・草とり 全部刈取り後

中央から南を刈った後

以前山積みした刈り草はササが主で1年以上積んでも殆ど腐蝕していません。その枯れ残ったササの上には女性陣が刈ったフキや草を積み上げ、廃棄の山は更に南の方へ延びます。他の剪定枝や葉は下部林床に小山のように積んで乾燥させ、最終処分は別途考えることにしました。

刈草の山

今月から作業開始を9時と決めたため12時で終了。おしゃべりをしたり(特に女性陣)水を飲んだりで暑さをやりすごし、きれいさっぱりの結果に満足! (S&K)

5月18日(土) 晴れ 参加者7名 フローラ調査

カニ山の会では例年5月頃植物調査(種名記録)をしていますが、今回は定例作業日以外に日程を設けて行いました。

会員の女性で植生調査の仕事をしている方がいますので、その方をリーダーにまずは東樹林の東から始めます。草刈り直後の調査になってしまいましたが、取りこぼしの無いよう順に確認しながら進めました。

結果、東樹林の東はガガイモ・フユノハナワラビ・クサイチゴなどの数種以外は目立つ在来野草は少ないですが、植栽した在来野草がなんとか根付き、ホタルブクロはこれから開花しそうです。

また東樹林の方ではキンランの株が増え来年にも期待が持てます。その上、作業中に見つけた所以外にもヤマユリが増えていたこと、ナルコユリも何本か固まって出ていたことが分かり、調査をした甲斐がありました。樹木も1mくらいになったクサギなどが数本見られたのはカシノナガキクイムシ対処で大木が減ったことによると思います。 

10時開始で2時近くまでかかりましたが、暗い雑木林内に光がさしこむギャップができたことで昨年と比べ明らかに植生の変化が見られました。クビキリギス、ラミーカミキリ、チョウ(種名不明)も見られ楽しく調査できました。(K)