2021年10月の雑木林

若葉緑地の会

10月10日(日)曇り一時雨のち晴れ 参加者4名

10月初旬は最高気温が30℃に近い日が多く、平年より気温の高い日が続いた。この日の午前中は一時雨が降るなど、気温は低めで、大汗をかかずに作業ができる環境だった。

崖線上の第3緑地入口脇にある花壇は初期のメンバーが世話をした時期があったものの、会の活動対象にはしてこなかった。その花壇で、近隣住民の方が「花いっぱい運動」のグループを作って、季節の草花を育ててくださることになった。そこでこの日は、どんどん花が増えている花壇の背後の下草や灌木の枝を刈って、すっきりした緑地入口周りの景観にすることにした。

草刈りがほぼ終わる頃、にわか雨があり、しばらく作業を中断した。

緑地入口の花壇
花壇に続くエリアの草刈り。隣家のフェンスに絡まっているクズなども撤去。

10月下旬、崖線下の緑地入口近くでシラカシ2本の幹にナラ枯れ防除剤が、調布市によって試験的に塗布された。

緑と公園課の説明によると、この薬剤は臭いが強いので民家の近くで使うと苦情が来る恐れがある。そのため実際に樹林内で影響をテストしたとのこと。地際から高さ2mほどの幹にはかなり分厚く薬剤が塗布されていて、鈍い光沢を放っていたが、特に臭いは感じなかった。

なお、このシラカシ2本にはナラ枯れ感染の徴候はない。

第3緑地ではこの夏、崖線上でクヌギの老木2本でフラスの発生が確認された。それに近接する住宅敷地内ではコナラ1本が全枯れ状態となっている。公共緑地に接する民地内での感染木をどうするのか、これも課題だ。(大村)

ナラ枯れ防除剤が塗布されたシラカシ

若葉3・1会すっかり日当たりのよくなった若葉の森

10月3日(日)くもり 参加者5名

●2020年12月のシラカシ大木伐採後、第一緑地の斜面地は非常に日当たりが良くなりました。階段状に設置した竹による土留めの効果もあって草が育つようになり、今ではアメリカセンダングサが大きく育ち、黄色い花を咲かせています。

●六別坂の落ち葉かき。今月は、シラカシ、ケヤキ、イヌシデの葉の他に、シラカシの緑のドングリが溜まっていました。本格的に秋になる気配を感じます。

●斜面の一番下にある六別坂下の入り口に、泥が道路に流れ出ないように土留めの柵を設置しています。堆積した土を掘り起こして斜面の上部に運びますが、湿った泥を運ぶのは毎回かなりの力仕事なので、土留めの追加を検討中です。

●中央斜面の竹の土留めと木製の階段の補修を行いました。杭を打ち込み、階段として歩きやすいように土で段差を均します。

●こちらはナラ枯れの被害木の一つ。このコナラは完全に枯れて幹からキノコが生えてきていました。その他に、幹から若芽が出てきている被害木もあり、完全に枯れずに中身は生きていているものもあるようです。


カニ山の会 フィールドの今後を考える

10月9日(土) 晴れ 参加者9名

樹林東端エリアは、雨天や、ナラ枯れ対策により実作業が中断し、6―7月の作業で生じた伐木・剪定枝・刈草が未処分のまま野積み状態だった。このエリア年内最後の作業になるので、全員でこれをフゴで回収し、搬出、廃棄した。

キャンプ場北エリア、春以来草刈りにも入っておらず草が繁茂してしまっている。ここも年内最後の作業になるので、出来れば終わらせたいが半数以上のメンバーが午前中で上がるので、全員で一斉に草刈り作業をした。午後は残ったメンバーで、刈取り範囲の目途を付け草刈り作業後、刈草の回収・搬出・廃棄作業を行なった。中間廃棄場まで300mの運搬はきつい仕事なので行政とより良い方策を模索していきたい。

隣接地に設置する農業公園に植栽する樹に、ドングリの森で育てた樹を移植できないかと市から問い合わせが来ている。東南外側の大きく育った数本の樹を残置してエリアの樹林を維持し、内側の成長の遅れた樹を移植したらどうかとの意見が出たが素人では無理なのでプロに委託すべきと思う。

ドングリの森に続く東側では女性陣有志が花の咲く野草の苗を移植し育てている。苗木を移植後の事もあり、ゾーンニングについても話し合いの必要がある。

移植が予定されているドングリの森(細く密集している木々)
カニ山のふもとに植えた在来野草(ドングリの森横にも)

ナラ枯れを含む市の伐採案については公園課の詳しい説明を聞きたいが、カニ山の会としても来春のことも考慮しカシノナガキクイムシの成虫脱出を阻止する処置をしていきたい。(S&K)


入間・樹林の会

10月17日(日)雨 参加者7名

雨のためナラ枯れの確認とテープ巻きと植生調査のみ行い、保全活動は行なかった。今年の雑木林塾講座生1人が参加し7人だった。ナラ枯れは、9月は3本確認していたが、7本に増えていたが、雨のためビニールを巻くこともできず、テープでマーキングのみ行った。雑木林塾生からは、定期的な観察が面白いとの感想があった。花はヤブタバコ、ミズヒキ、実はヤブミョウガ・アオキ・ガマズミ・センリョウ・ヤブラン・ナキリスゲ・チジミザサ・ヒナタイノコズチを確認した。

根本さんから、クズの処理は5月か9月に、アズマネザサは8月がよいとの提案があった。(安部)

次回は11月21日(日)保全活動

ガマズミの実

2021年9月の雑木林

入間・樹林の会

9月18日(土) 雨

 大雨のため保全活動は中止した。5人で降雨時の坂道の雨水の流れの様子をみた。駐車場横の道路のレンチからは雨水があふれて坂を流れ、樹林地側のレンチへ流入していた。坂を勢いよくながれて竹の水止めの効果はあるが、一部水止めを越えて樹林地へ流入していた。

下草刈りの要望があった民家横の下草の生え具合を確認し、大雨の為作業は9月はできないこと、10月も植生調査の為できないので市へ報告することにした。ナラ枯れについては先月確認した以外に竹林内のシラカシ1本を確認した。

竹林にはクズがはびこっていたので伐採が必要である。雨の中でシラカシの幹を登るミスジマイマイが何匹も見られた。(安部)

次回は10月17日(日)植生調査と保全活動

樹林地内に入る雨水
民家横の下草の状況確認
倒木のキノコ(名前不明)
ナラ枯れフラス
シラカシに集まるミスジマイマイ
クサギ実

若葉緑地の会 第3緑地にも「ナラ枯れ」が拡大

9月12日(日) 曇り 参加者4名

9月上旬は20℃前後の涼しい日が続いて驚いたが、中旬になって暑さが戻った。それでもこの日の最高気温25.8℃。ただし湿度は高く、蚊の攻撃は猛烈。この夏は7月と8月の月間雨量(府中)が平年の約2倍と、雨が多かった。そのおかげか、第一緑地では裸地化していた崖線斜面にアメリカセンダグサなどが茂った。第3緑地でも活動を休んだ8月のうちに、緑が一段と濃密になった。

作業は2か月ぶりなので、まず周辺の道路の落葉掃きから。続いて、早春にタチツボスミレの群落が生育する一画の下草刈り。歳のせいもあろうが、久しぶりの屈んだ姿勢の作業はきつく、汗も噴き出る。

昨年、「ナラ枯れ」感染の徴候がシラカシ1本で見られただけだった第3緑地。しかし、ついに複数のクヌギの感染が見つかった。比較的若いクヌギが全枯れ状態で、二又の大径木にはフラス(カシナガキクイムシが侵入したことを示す木の粉)が発生している。フェンスを隔てた隣接住宅の庭のクヌギ1本も枯れている。

9月12日の活動日には花茎が見えただけだったヒガンバナが、21日には見事に開花していた。(大村)


若葉3・1会 ついに地面に草が茂り、緑の森に!

9月5日(日)くもり参加者9名

●活動が休みだった7月・8月の間に、若葉の森の様子はすっかり変わっていました。これまでずっと土が乾燥して植物が育たず常に裸地となっていた第一緑地の地面に、さまざまな草が生い茂り、まさに「緑の森」となっていました!

●第一緑地の中央裸地に階段状に設置した竹による土留めに、アメリカセンダングサをはじめとする草が高さ1mほどに大きく育っています。土留めを設置した効果を実感しました。ただ、6月の活動時に見られたケヤキやコナラの実生は育たなかったようです。

●樹林「再生」の第一歩として、この6月に第一緑地の斜面地に植樹したマユミ、ムラサキシキブ、ガマズミは、この夏の暑さの中でもしっかりと根付いていました。樹木の生長は、草に比べると本当にゆっくりですね。焦らずに見守ります。

●緑地内で剪定した丸太や枝を使ってコンポスト柵にしていますが、夏休みの親子がカブトムシ等を捕りに来て丸太をひっくり返していったのかな(?)、柵が跡形もなくなっていました。丸太や枝の再設置と、柵を竹ひごで囲う補修を行いました。

●第一緑地・第二緑地とも7月~8月の間に昨年よりも速いペースでナラ枯れの被害が進んでいました。非常に危機感が高まります。効果があるかどうか確証はないのですが、若葉の森でも、カシノナガキクイムシの開けた穴に爪楊枝を打ち込む対策を行いました。(内堀)


カニ山の会 今シーズン最後か、東樹林東の草刈り

9月11日(土) 参加者10名 晴れ

 8月の例会が雨で作業出来ず、またナラ枯れ調査の緊急活動が入ったので、保全作業は7月以来で、担当3エリアはどこも夏草やササがのび放題。今日は、東樹林東の苗圃跡のボサ刈りを実施した。2名はフゴ袋、一輪車で搬送、残り全員で草刈り。民家との境界壁際から刈り始め林床の下草も7割かた刈払われ、見違えるほどすっきりした。

 午後も作業をしたが前回の作業で発生し片付け切れなかった伐採木、剪定枝、摘まれたままの刈草の搬出は時間切れとなってしまった。

皆で草刈り
民家脇も丁寧に

 林床には実をつけ始めたヤブランの他、ミツバチが好む在来野草を植えた場所ではキンミズヒキ、オトコエシ、オトギリソウなどが咲いていた。(S&K)

ヤブラン
キンミズヒキ
オトコエシ
オトギリソウ

9月15日(月)晴れ 臨時活動日 参加者3名

 カシノナガキクイムシの生態、習性に基づくナラ枯れ防止対策について話し合った後、穿孔の探し方、爪楊枝を刺しこむ要領を練習した後、作業を始めた。

 今回より特に逆穿孔を塞ぎ直す爪楊枝打ちを加える事にし、まずは逆穿孔を探し出す。打込んだ楊枝がグラグラで簡単に抜けるのは殆ど楊枝の芯を喰われている。こんな場合、孔口は楊枝にくっつくような近く(あるいは同一)にあり、楊枝を避けて穿孔する場合は2mmほど離れたところにある。まずこれら逆穿孔を探し爪楊枝を再び打込み逆穿孔の処置は終わり。仕上げに楊枝を樹皮に近いところで切って短く揃えてその数を記録。

 次いで、逆穿孔以外の新たにフラスを出している穿孔を見つけ、楊枝を打込みこれも楊枝は短く切って揃え計数。(新しい作業と旧作業の数を分けて記録する為、計数した後は必ず楊枝の頭を切り揃える・・・作業原則)

 まだサンプルは少ないが、穿入虫の4割強(実際には5割を超えているかも知れない)の強者が密栓に対して逆穿孔を行ったようだ。半数は効き目があったとみて、再び密栓を予定している。カシナガとの根競べである。

 新たに罹患の見つかった#860は、この一週間に50の穿入を受けている。今月いっぱいは彼等の活動期と言われているので、まだ作業の必要がありそうだ。

 罹患枯死木が伐採されるなら、代替わりの樹を育てて植樹したらどうか、との提案があった。近いうち市内雑木林の保全団体での連絡会が行われる。ただ伐採するのではなく町田の様に市がナラ枯れ防除の市民運動の推進をするなど、カシナガの拡大を防除する積極的な方策を検討するよう要望したい。(瀬本)

2021年8月の雑木林

カニ山の会 今年のナラ枯れはいよいよ深刻

8月14日(土) 雨 参加者5名

8/9にカニ山の状況を下見しナラ枯れ木の調査を予定したが、かなりの雨のため調査は中止としカニ山全体の罹災状況を観察した。

  1. .昨年はキャンプ場の裸地周辺の樹が中心だったが その南、林床がササの南斜面のコナラ林に拡がり、多くのコナラの葉が赤茶色に枯れている。(1か月前と一変)
  2. 東樹林(カニ山の会の作業エリアでも枯れを3本確認(昨年は1本)
  3. 北側ゲート付近、ひきずり坂崖上の2本のコナラ古木・大木の葉が枯れ始めている。
  4. 野草園付近、園の東崖線のコナラ枯れ。谷を挟んだ西崖線の上方、及び神代農場内の東崖線にも枯れが見える。

野草園の係員の方が、今回のナラ枯れ状況を調べているのか、フラスの出ている樹には黄色のテープでマークしている様だが、マークされていない樹もありこれについては市に確認してみることとした。

カニ山会員へ

カシノナガキクイムシ雌雄1ペアーは、1つの穿孔の坑道のなかで20~50匹の子供を育てます。性比半々としても10~25対のペアーが翌年穿入孔から脱出し、それぞれ新しい坑道で更に10~25対の子孫を育てます。行政は、成虫が脱出する前に、たまたま枯死に至った樹を伐採し焼却処分していますが、伐採能力的にも財政的にも、とてもこのネズミ算的な拡大に追い付くはずがありません。

そこでカニ山の会としては、カシナガの穿入孔を爪楊枝で塞ぐ方法を採ろうと思います。カシナガ家族の掘る坑道の長さは2~3mといわれます。根元に積もるフラスを見れば頷けます。翌年の脱出を妨げるだけでも彼らの繁殖を失敗させ、ひいては病原菌(ナラ菌)の蔓延を防げるはずです。

ナラ枯れ調査マップ

8月22日(日) 晴れ 参加者6名

予定通りナラ枯れの実態調査と、爪楊枝打ち込みによるカシナガ退治を実施した。爪楊枝を刺す人、小さな金づちで打ち込む人、罹災木をチェックし記録する人、分担して合計1339ヶ所の穿入孔を爪楊枝で塞いだ。翌日会員の1人が再度チェックし更に205ヶ所を塞ぎ東樹林の罹災木は20本となった。 (S&K)

罹災木の確認

8月の雨量は全国的に記録的なものとなったが、カニ山広場でも湧き水が見られた。


入間・樹林の会

8月21日(土)晴れ 参加者13名

夏のボランティア4人(大学生1人、中学生3人)と市民活動支援センターの職員の5人とメンバー8人の13人で雑木林広場のアズマネザサ刈りを行った。林内巡回では繁茂した草をかき分けて歩くと「身近にこんな自然があるのか」と驚いていた。剪定バサミやノコギリで竹を切ったり、ノコギリ鎌を使ってのアズマネザサ刈りは4人とも初めての体験であった。怪我をしないように注意をしながらメンバーが1対1で付き添い笹刈りを行った。蒸し暑い日だったので30分毎に水分補給を行いながらの作業だったが、笹刈り後の達成感を感じたようだ。カナヘビの子どもやカマキリの抜け殻、ミスジマイマイ、キチョウ、カラスアゲハに出会ったりと自然を体感していた。早めに切り上げ鎌やハサミの手入れも全員で行った。学生たちは初めての笹刈りなどの体験は楽しかったとの感想だった。

剪定バサミを使って交代で竹切りを
アズマネザサ刈りを行う学生ボランティア
笹刈りの成果
道具の後片づけ

1丁目樹林地では初めてのナラ枯れの木がツバキの森のシラカシの大木で、上部の葉が茶色くなり、根本にはフラスが落ちていた。キツネノカミソリ、ヤブミョウガ、ヤブラン、ツユクサ、クサギ、ミズヒキ、ハエドクソウの花、ガマズミ、ムラサキシキブ、センリョウ、ヤブミョウガの実を確認した。(安部)

シラカシの「ナラ枯れ」
キツネノカミソリ
クサギ