2022年5月の雑木林

若葉3・1会  萌黄の若葉の森

5月1日(日)曇り時々雨 参加者8名

  • 第一緑地の中央は日当たりがとてもよく、落葉樹・常緑樹ともに黄緑の若葉が茂っていま した。木の根元には、ケヤキの実生がたくさん。春の息吹を感じます。
  • 六別坂には、シラカシなどの常緑樹の葉が両端に積もっていました。連日の雨を吸った葉 が重くて、かき集めた葉を落ち葉溜めに運ぶのも重労働でした。
  • 第二緑地の住宅との境界に生い茂った、孟宗竹やアカメガシワなどを伐採・剪定しまし た。竹は若くて柔らかいうちに切ると、作業が楽です。
  • カシナガキクイムシの侵入を防ぐために薬剤を塗られたコナラ21本から、無事に緑の若 葉が出ているのを確認しました。今年もナラ枯れの発生に備えて、わたしたちでも出来る対 策を継続していきます。
  • 5月の森は、春の花でいっぱいでした(キンラン、ギンラン、タツナミソウ、ハルジオ ン、ジュウニヒトエ)。キンランは去年よりも株の数が増えて、150株以上ありました。

(内堀)


カニ山の会  定例作業は中止でしたが

5月14日(土)雨→曇り

予報では10時頃から雨がやむとのことだったが、当日9時になっても雨はやまず、足元も悪いことから会としての活動は中止とした。だが午後は有志で土留め用の杭を作ることにする。男性3人で2本の斧を交代に使いながら作成。

近隣から頂いた伐採木のうち適当な物を選び、片方の先を斧で削いでいく。慣れるまでは思った場所に命中させるのもなかなか難しいし、力も必要。今までにコツコツ作った物と合わせ100本近くを準備できた。お疲れ様~

女性2人も顔を出したが、杭作りは難しく、作業区域の見回りをした。東樹林の方を回ってみるとちょうどエゴノキの花が終わる時期。薄暗い雑木林の中を明るくしてくれる可憐な花だが散ったようすは桜にも負けない華やかさ。

その先ではスイカズラがキンギンカの別名通り、白とクリーム色に咲き誇り、カタツムリはユズリハの上をお散歩中。モミジイチゴは食べごろのようだが、これは鳥さんに残しておくとする。

次回の作業は太い横木と今日作った杭を使って東樹林地園路の補修をする予定。

5月25日(水)4/30に設置したカシナガトラップを数人で何度か見廻っていたが、とうとう…。キャンプ場カマド周辺にしかけた5本の樹木のうちのクヌギとコナラの2本に計9匹のカシノナガキクイムシを発見! 

そろそろシーズン到来か。今回は昨年より少しでも被害を減らしたい。(K)


入間・樹林の会

5月15日(日) 曇り 参加者12名

久しぶりの一時帰国のメンバーの参加や慈恵医科大学の看護学生ボランティア参加3人を含め参加者12人だった。

ゴミ拾いでヘルプに入った特別参加のIさんも加わり、にぎやかで活気のある活動となった。初めに樹林内を案内してもらったが、Iさんは虫などの生き物に詳しいので、生き物に関心のある学生ボラたちへの説明も丁寧にしてくれた。彼女たちはカマキリの卵やクモをみても手に触るなど怖がりもせず楽しんでいた。カブトムシの幼虫も探していたが見つからず残念そうだった。

坂道清掃、雑木林広場での咲いたギンラン8株の保護柵づくり保護柵づくり、アズマネザサ刈り、カシナガキクイムシのトラップの取り付けなどを学生ボランティアには行ってもらった。メンバーからは、若い人たちの参加で活気もうまれて楽しかったとの感想が寄せられた。花はガマズミ、ドクダミと白い花が目についた。

樹林地内で観察
説明をきく
学生ボランティアがアズマネザサ刈り
トラップ取り付け
何これ?くも?
ガマズミ花

(安部)


若葉緑地の会 足尾の緑再生のために

5月8日(日) 曇り 参加者5名(他にオアシス会から6名)

栃木県・足尾銅山周辺の山に緑を復活させる活動をされているオアシス会の皆さんが、およそ6年ぶりに来訪。第3緑地の林床で木の苗を採集された。樹種は特に問わずに集めた苗は約180本。同会と親しい当会メンバーも手伝い、さっそく荷造りして足尾に送ったところ、現地からたいへん感謝されたとの報告をいただいた。

オアシス会の皆さんと足尾に送る苗

この日は、ケニアに赴任して一時帰国中の当会メンバーが有難いことに「特別参加」。第3緑地と第2緑地の間の坂道「大坂」(市道)の路肩に厚く積もった落葉を除去する「力仕事」の中心になってもらった。シラカシなど常緑樹の落葉が増えているところに、道幅ぎりぎりに通る車のタイヤで落葉が圧着されて路肩をふさぎ、歩行者や自転車が通りにくくなっていた。

大坂の路肩に積もった落葉

前号で紹介した「南広場」のタチツボスミレとマルバスミレの「保護区」を見に行くと、花が終わって草丈が20センチほどに伸び、淡黄色の果実がついていた。よく見ると、すでに割れて種子を散布した果実もある。

スミレ類の種子にはアリが好んで食べるエライオソームという化学物質が仕込まれているため、彼らによって巣に運ばれ、散布されることが知られてる。ただ、種子の全部がアリさんのお世話になる訳ではないだろう。落葉の上に付着したりせず、最初から地面に落ち、土の粒子や水分、微生物に包まれて過ごすほうが冬越しに有利なはず。そこで群落の周りの落葉を手でとり除き、黒々とした土を露出させた。3年前、環境市民会議の先輩からご教示いただいた知恵だ。さて、これらのスミレ群落、来年はどこまで拡がるだろうか、楽しみだ。 (大村)

タチツボスミレの果実

4月30日のナラ枯れ対策(カニ山では)

みのりの家を借りファイルトラップを11組作成。カニ山の樹木への取り付けにあって下記のような観点で行った。

 1度カシナガの穿入を受けた樹は、敬遠される傾向がある。 トラップ取付け対象はこれまでにカシナガ の穿入を受けていない(フラスの見られなかった)樹とする。

 カニ山は被災3年目を迎え、会の調査によればカニ山区域のブナ科の対象木数は約220本、穿入された(フラスの発生した)樹はこの2年で120本以上、全く被災していない樹はもう100本も無い。当初他所から飛来した集団は無垢の220本のうち20本くらいに穿入した。

 2年目の昨年は前年に罹災した20数本の樹から脱出した成虫が100本の樹に穿入した事になる。5倍5倍の倍々ゲームとすると100本から飛び出しても、この森に無傷の樹は100本も無い。この集団にとってこの森のマスは既に小さすぎる状態になったのかも知れない。

 罹患木も関係なし、構わず穿入してここで家族を作るのか。 集団の生存に耐えるマスを探して集団で移動するのか。どういう展開を見せるか注目したい。そのためにも成虫の捕獲状況の変化、フラスの発生状況、穿入孔の計など、目視調査で分かる変化を観察したい。

 カシナガトラップも沢山仕掛けるに越したことは無いが、清掃、水の交換、捕獲数のカウントとメンテナンスが結構大変。 会の能力から推して取付け数は5、6カ所程度が適量と思う。 マスアタックの兆候が見られたら、その樹にトラップを集中し、被災が無いと思われる樹のトラップは外して他に移す、など柔軟に進める。

 観察ポイントは多いほどいいが、メンテの実力を越えては結果何も得られない。従って虫の通り道になりそうな場所で、アタックを受けた樹に囲まれているのに何故か無傷の対象樹木が固まっている場所に4本ずつ2か所とキャンプ場の炉の傍の樹液を出して防戦しているクヌギ(罹患木だがクヌギはこの樹1本だけなので)にも仕掛け、計9本に取り付けた。

 当該樹の腰高あたりに位置を決め、ファイルトラップの背面をタッカーで打ち付ける。 下部シール端を摘まみ上げ衝突版下部と合わせてホチキスで固着する。 受け容器を下から差し込み両端をクリップで止める。 洗剤水を溢れるギリギリまで入れる。 この時期コナラ等の花穂柄が入ってすぐに液が汚れる。その掃除、水替えがかなり忙しい。 捕獲数をカウントするようになれば更に大変になる。 今シーズンはカシナガ対策として、周期的に会員で見まわることにする。(瀬本)

2022年4月の雑木林

若葉緑地の会 スミレがこんなに殖えた

4月12日(日) 晴れ 参加者4名

いつものとおり緑地内と外周道路のゴミ拾いの後、全員で「南広場」のスミレ「保護区」に向かった。

近づくと「わぁッ」と声が上がる。3月の活動日には、小さなつぼみが一、二見られただけだったが、たくさんの花をつけた群落がいくつも広がっている。しかも、昨年まで、特に小形だった白花のマルバスミレがずいぶん大きく育って、タチツボスミレと張り合っているようだ。

3年前、マルバスミレを見つけたのをきっかけに、冬の午後には陽だまりになる林床にスミレの「保護区」を設けた。

昨年秋から、周りのアズマネザサを刈ったり、3月以降は被さっている落葉を少し除けてやるなどの世話をしてきたことが、功を奏したようだ。

この冬は3月初旬までは少雨傾向だったが、中旬から4月上旬にかけて170mmを超える雨が降ったこと(府中)も、良かったのではないだろうか。

これからは、散布される種子が、落葉の上ではなく土に落ちるように、周りの落葉を掃除してやる仕事がある。

「南広場」のタチツボスミレ(薄紫)とマルバスミレ(白)

例年だと用具倉庫裏の一画がタチツボスミレの花畑になるが、今年は花が少ない。冬の間、キヅタが地面を覆っているのが気になっていた。その影響か。

残念な思いでいると、すぐ近くにチゴユリが咲いていると教えていただいた。下向きに開く「内気な」花。なかなか顔を見せてくれないので、ちょっと仰向けになってもらった。それが2枚目の写真。小さく清楚に整った花だ。

チゴユリ

肝心の作業は、「桜広場」の住宅寄りの辺りがブッシュ状になってきたのを伐開。

藪のなかでサンショウの花が咲き始めていたが、この日見たのは雄株だけだった。

作業の終わりに、香りの高い若葉を少し頂戴した。(大村)

サンショウの雄花/「森の恵み」をいただく

若葉3・1会 若葉の森

雨のため作業無し

カニ山の会 問題続々、その対策は?

4月9日(土) 晴れ 参加者11名
 午前中は東樹林の整備をすることにして、1~3月の定例活動で積み残しになっていた剪定枝や刈ったササを数人で収集し、リヤカーとフゴでカニ山北口付近の仮置き場に廃棄した。その他、中途半端になっていた上段、下段の落ち葉掻きを行い、新しい落ち葉溜めに入れ少しでもカサを減らすべく踏み込む。

 昼までで帰る人が多いため12時前に作業を終わり、皆でふりかえりを行う。「全力でやっても中段の落ち葉掻きまでは出来なかった。体力差に合せた作業計画にして欲しい。落ち葉を掻いていると実生のコナラを沢山見掛ける。育てて森を更新して行けばいい」などの意見が出た。

 昼食後残ったメンバーで、東樹林、東樹林東、キャンプ場北の活動区域を見て回りながら、問題点、改善策を話し合う。主に土砂流れ・裸地化・ナラ枯れ対策などについての話が出た。最後にカマド北の作業地を見まわった折、隣接した大木の森が皆伐されている現場に遭遇。事情が分からないのでなんとも言えないが全員あぜんとなる。

宅地に隣接した保全作業は住民の希望も考慮しながらという話し合い。

コナラの実生。ナラ枯れによりコナラ・クヌギなどの実生木は大切にしたい。

春爛漫! 傍らではグミが満開!

カニ山カマド北東にある民有地の森が無くなってしまった。

4月30日(土)臨時作業 晴れ 参加者6名

クリアフォルダー20シートで11組のトラップを作る。

カシナガトラップも沢山に越したことは無いが、清掃、水の交換、捕獲数のカウントとメンテナンスが結構大変。 会の能力から取付け数は5、6カ所程度が適量と考え3年前からの状況も考慮し狭いエリア2か所にコナラを4本ずつ、クヌギはカマドの傍らに1本のみの計9本に取り付け。ちょっと意外だがクヌギはどうも1本しか存在しておらずカニ山の落葉樹はコナラ・シデがほとんどを占めている。(S&K)

トラップ設置のようす


入間・樹林の会

4月17日(日) 参加者9名

 雑木林広場でキンランの確認後、ツバキの森でナラ枯れのため伐倒した4本のシラカシを確認した。罹患していたシラカシが大径木だったこともありぽっかり樹冠があき明るくなった。今後の植生の変化をみていくために、5m四方の植生調査を行うことにし、シラカシ・エノキ・ケヤキ・ムクノキの実生とヒサカキの5種を確認した。

 ジャガの森ではニリンソウが咲き44種を、雑木林広場では34種を確認した。ウラシマソウは樹林地内でも分布が広がっている。花はキンラン・ウラシマソウ・ニリンソウ・ジュウニヒトエ・キランソウ・シャガ・アオキ・サンショウ・ツバキ・セリバヒエンソウ・キュウリグサ・エナシヒゴグサ・ヤブニンジン・ムラサキケマン・ハルジオン・ハナニラを、実はアオキ・ヤブミョウガを確認した。坂道はシラカシなどの常緑の落葉の掃除を最後に行った。

次回は5月15日(日)保全活動を予定している。 (安部)

左上からニリンソウ・キンラン・ウラシマソウ・シャガ
ジュウニヒトエ・キランソウ・アオキの雄花・サンショウの花
シラカシの新芽・タブの新芽・伐倒したシラカシの頭上ぽっかりと空いた空間、切り株前で記念撮影