2022年8月の雑木林

カニ山の会 活動の進め方について意見交換

8月20日(土)晴れ 参加者9名

 定例活動日の第2土曜が雨だったため1週遅れての活動日を設定。暑さのため重労働は難しいので軽作業(伐採木で作った杭の移動)とカニ山の現状を確認した後、今後の方針、行政との関係などについて話し合いをすることとした。

●最初に杭の移動。これはキャンプ場北東の皆伐地の地主さんから伐採枝を譲り受けた材で作った物で60~70cmの杭材だけで100本ほど、また土留め材もかなりの本数で全員で30分以上かけて東樹林内の端まで運搬。

 次は当会の作業エリアを中心としカニ山の現状を確認。

●写真右側の通路は崖線を登って来る切り通し状の昔みち、奥に見える階段を上がるとカニ山の東樹林に入る。切り通しの法面が通路側に崩れ、どこからでも樹林内に入れる状態。搬入した材料で土留め垣を作り、植栽や粗朶垣でこの斜面を整備しようと思う。

●6月7月に草刈りをしたエリアで「刈草の山積み放置方式」を試しているが、刈草容積の半減が進んでいる。場所を適正に設定すれば、この方式でも良いかも知れない。

その他、東樹林南の民地境界高木(ナラ枯れ罹災樹含む)の状況や、東樹林内通路が土流れで谷側に崩れかけている状況、崖際のオカメザサが業者によって刈りこまれ斜面で遊ぶ子らの通路になってしまっていること、ナラ枯れ等で伐採した市内樹木の補植用苗床をキャンプ場北エリアに作ると想定した時の広さ・陽当りなどを見て回った。 

●その後はキャンプ場カマド前で円陣になっての話し合い。

●話し合いの場に現れた幼虫。なんのスズメガかな?

 行政の方針や目的が分かりにくい・大きな方針は行政に従って会としての活動は無理なく自分たちでできることだけで良いのではないか・植樹用苗床作りについて・東樹林通路の補修はどうすべきか・薪炭林に捉われない発想も必要じゃないか・若い人達始め多くの市民に関心を持ってもらうには、など日頃の思いなどを様々に出し合った。

 上記に関してはすぐに結論を出せることでは無いが、境界コナラのナラ枯れの措置、樹林内の土流れによる路肩崩れ等、公共の安全を考え市としの検分を要請中だが、まだ対応してもらえていない。

 その他、8/20までのカシナガトラップによる捕獲状況は45,000頭に達するが、現状ではカシノナガキクイムシの集団飛翔は小康状態、反対に穿孔(フラス)活動が盛んで穿入罹災木が急増している。キャンプ場水道下の広場でカシ類の被災が出現している事、罹患生存木への再突入が起こっている事が今季の特徴。これらのデータをまとめるため、会員の協力を募り臨時調査日を設ける予定。(S&K)


入間・樹林の会

8月21日(日)曇り 気温27.6度、湿度76% 参加者13名

今年も市民活動支援センターからの夏のボランティアの中学生1人、高校生2人が参加してくれました。他にもセンター職員、緑と公園課職員1人と植生調査の講師と総勢13人と久しぶりの大人数でした。地域福祉センター会議室で、自己紹介、会の説明と今日の作業について説明しました。準備体操後、道具(アズマネザサ刈り用の鎌や蚊取線香、竹ぼうき、剪定ばさみ等)の準備をし樹林地へ移動しました。

はじめに、樹林地内の4つのゾーンを巡回しました。ツバキの森では、ナラ枯れとそのトラップを説明し罹患木の伐採後に樹冠がぽっかり開いたので空を見上げて確認しました。そこから陽が入りアカメガシワやシラカシの実生がいっぱい生えてきています。マテバシイ広場はまだまだ暗い状態ですが経緯を説明しました。雑木林広場で通路下側の植生調査を全員で行い、3人の学生はメンバーとアズマネザサ刈りを刈り方を教えてもらい作業しました。その後は率先して坂道清掃の落ち葉はきをしてくれました。残りのメンバーで方形枠と植生調査を、トラップの取り換えも行いました。

最後に集合写真をとり感想をききました。「身近にこんな自然があることを初めて知った。雑木林保全に色々な作業があることを知り笹刈りの作業が楽しかった、キツネノカミソリなどの花をみれてよかった」との感想がよせられました。崖線樹林地や自然に関心をもってもらえ、将来保全活動への参加に期待します。(安部)

植生調査を全員で

キツネノカミソリがかわいい

ヤブラン

ヤブミョウガとミョウガのプチ違いの説明をうける

トラップにはいったタマムシなど

集合写真

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若葉の森3・1会と若葉緑地の会は8月の活動はお休みです。

2022年7月の雑木林

カニ山の会 暑さとの闘い

7月9日(土)晴れ 参加者10名

 今月は定例活動及び臨時活動として、樹林内の土留め対策(東樹林下段通路西側の改修)を予定していたが会としての能力、安全を考え保留にすることにし、公共安全の観点から自治体の仕事ではないか市に確認して貰ったのち、相談して行きたいと思う。

 そこで今日の定例作業はカニ山キャンプ場北エリアの草刈り。裸地化した通路に面したエリアの草地西端にキンミズヒキの群生がある他、アザミ、ヤブミョウガなど其々に気になる草を刈り残し、昆虫の生息域を早く回復するため根上2~3cm位で刈払うことにした。

キンミズヒキを始め草が繁茂する6/28のキャンプ場北側のようす

 木陰もあるし風も通る気持ちの良い場所とは言え、かなりの蒸し暑さのため水分補給に気を付けながらの作業。昼食のあとは早めに終了することにし刈り取った草は熊手、フゴで収集しエリア北東の一角に先月同様、山積みにして置いた。

 先月刈り取った山積みの草は異常高温の天気続きで乾燥が進み、容積で半分ほどになっている。天地返しなどひと手間を掛けるといいのだが、今回はこのまま放置し経過を見て行く。

先月同様、刈り取った草を山積み
ノカンゾウが咲いていた

 4/30のカシナガトラップの設置以来、洗剤を交換するだけの活動が続いていた。5月末、カニ山南緩斜面で出現の動きが捕獲数に現れるようになり6/10には、西斜面上部、東樹林のポイントでも急に数が増え、6月末の累計捕獲数が一気に3万頭に達する勢いで増大、7月に入っての一週間で1万4千頭増、7/6で4万頭をカウントした。
チェックとメンテナンスは当分続けていく予定。(S&K)

トラップチェックの7/20 満開のヤマユリが!

入間・樹林の会

7月16日(土)曇りのち雨 参加者2名

気温24度、湿度80%と蒸し暑くお天気が悪いこともあり参加者は2人。8月に夏ボランティア3人が参加予定のため通路整備とトラップの確認を行った。はじめに新左衛門坂の駐車場横のトレンチの周りと入口にたまった落ち葉を除去した。落ち葉をかくとみみずが多数あらわれた。かわいそうだがシラカシのそばや柵内に移動した。

入口の落ち葉を清掃

樹林地内を巡回後、トラップを確認。3本の木にカシナガキクイムシがトラップにはいっていた。

トラップの取り換え

トラップにはカシナガキクイムシの他、タマムシやキマワリ?が捕まっていた。

花は、マンリョウ、ヤブミョウガ。実はムラサキシキブ、キンラン。

マンリョウの花がかわいい
ヤブミョウガの花はこれからが見頃

坂の向こう側の斜面では、ヤマユリが見頃だった。

植生調査は講師の都合で次回8月21日(日)に延期した。(安部)


若葉の森3・1会  ⾬後の森の様⼦

7⽉3⽇(⽇) 雨のち晴れ 参加者7名

●6月最終週の暴風雨に見舞われた若葉の森は、コナラの大枝が折れて、第2緑地の歩道付近に落下していました。約4mほどの枝をノコギリで分断し、撤去をしました。折れてしまった枝は枯れが進んで 中身がスカスカの状態でした。

●第2緑地のコナラの根元に近くにフラスが発生している様子。防虫剤「カシナガブロック」が塗布さ れた部分からもカシナガが侵入した穴が複数確認できました。

●第2緑地の住宅との境界に生い茂ったヌルデ、タケニグサやアカメガシワ等を伐採・剪定しました。歩道の見通しが開けて、日当たりが良くなりました。

●ムラサキシジミを発見!一見、枯葉と見間違うような地味な見た目ですが、羽ばたくときに紫色の 綺麗な翅が確認できました。(残念ながら開いた紫の羽は撮影できず)

●第1緑地と第2緑地をつなぐ斜面に咲いたヤマユリの様子。活動日は蕾が膨らんで開花間近の状態 でしたが、2日後の7月5日に開花しました。(写真左:7月8日追加撮影)平澤

若葉緑地の会 不順な夏の始まり

7月10日(日)晴れ 参加者5名

 この日の最高気温は31.5℃で平年値より2℃ほど高い。7月5日から30℃超えの真夏日が続いていたが、連日35℃以上の猛暑日だった6月下旬に比べると、しのぎやすい感じがした。

6月から7月の気温変化をグラフで見ると、この夏の始まりがどんなに異様だったのか、よく分かる。気象庁は異例に早い猛暑の襲来に驚いたのか、6月27日、平年より22日早い梅雨明けを宣言(関東地方)。しかし、7月中旬には30℃以下で梅雨末期のような雨量の多い日が続いて、TVの気象キャスターたちを困惑させた。

前月の記事で、猛暑にもかかわらずセミが鳴いていない、6月末の樹林に違和感を持ったことに触れた。7月10日の活動日にも、まだセミたちの声は聞こえていなかった。ネット上でも「セミの鳴かない夏」が話題に。しかし、セミの羽化には気温上昇だけでなく雨量も必要であり、7月中旬のまとまった雨が羽化をうながしたので、結果的にセミの初鳴きは例年とほぼ変わらなかった。「若葉の森」でも20日過ぎにはセミが鳴いた。あまりに早い猛暑の訪れが、「夏なのにセミが鳴かない」という誤解を生じさせたのだ。

サガミランの大きな群落が2か所出現した。昨年の生育地点のすぐ近くだ。

光合成をする葉を持たず、地下の菌類から栄養をもらって生活する菌従属栄養植物。東京都では準絶滅危惧種とされている。

サガミラン

前号で桜(ソメイヨシノとしたが、ただしくは八重桜の「関山」)の大枝が6月下旬の強風で落下したことを書いた。その木はまだ伐倒処分されていない。夏に入って昆虫採集に訪れる親子連れが多くなっているので、桜の老木が複数ある「桜広場」入口にロープを張って「立入禁止」とすることにした。「緑と公園課」には現状を報告して「立入禁止」処置に同意を得るとともに、早期の伐倒処分をお願いした。

桜広場を立入禁止に

いつもと同じように周辺道路の落葉掃き・清掃をするうちに、緑地を散歩中の家族連れに出遭い、「もりのちず」を渡して緑地やボランティア活動について説明した。熱心に聴いていただき、何と15分後には60代と20代の親子お二人が複層を整えて現われ、早速参加してくださった。最近、近所に転居してこられ、国分寺崖線樹林に関心をもたれていたとのこと。8月は活動が休みであることを伝え、9月からの参加をお願いした。(大村)

2022年6月の雑木林

若葉緑地の会 猛暑が来る前に

6月12日(日)晴れ 参加者4名

軽く準備体操をしながら樹を見上げると、空が急に狭くなったように感じる。

早春から成長を続けた樹々の枝が伸びきり、葉の緑もいっそう濃くなって、樹間を塞いだのだ。

崖線上段の「桜広場」にはソメイヨシノの古木が6本あるが、生命感あふれるこの季節には、その「老化」が痛々しく感じられる。幹の傾斜がだんだんひどくなり、黄信号という「胴吹き」の枝がたくさん出ている。今年は、新葉がほとんど無い木が1本ある。

この状態では台風シーズン(2018年台風24号によって大木が倒れた)が心配と話していたら、太い枝が折れて落下しているのを、6月30日に発見。6月24日から26日にかけて瞬間最大風速が10mを超える日が続いた(府中の記録)。そのときの被害と思われる。

ほとんど葉をつけていないソメイヨシノ

東側の住宅地に接する崖線斜面の辺りは、毎年この時期、ヨウシュヤマゴボウ、タケニグサ、アカメガシワなどが茂ってブッシュ状になる。今年も伐開作業。6月でも相当に汗をかくが、この仕事を7月に持ち越すと、猛暑のなか危険なことになる。

すっきりした崖線斜面(6月30日撮影)

先月紹介したタチツボスミレ/マルバスミレの果実はほとんどが裂開して、種子を散布したあとだった。蟻さんたちによって地中に運ばれた種子は、来春までしばしの眠りについているはず。

裂開したタチツボスミレの果実

6月の活動日12日は最高気温が26.5℃だったが、26日からは連日35℃超えの猛暑日となった(府中)。

36.9℃を記録した30日の朝、早くも熱気が立ち込める林を歩くと、木下闇にヒメヒオウギスイセンの花色が鮮やか。

「もう真夏だな」と思いつつ、どこか違和感がーーこの暑さなのに、蝉が鳴いていない!。

調べてみると、東京ではニイニイゼミ、アブラゼミなど夏蝉の初鳴きは、7月中旬以降のことが多い(※)。

6月中のベラボーに急な「真夏」の訪れに、蝉たちの「目覚め」は間に合わなかったのだ。

※気象庁は、桜の開花日がよく話題になる「生物季節観測」のうち、動物の観測を2021年度から廃止。これに気象予報士の森田正光さんらが抗議した。     

ヒメヒオウギスイセン

(大村)


若葉3・1会 梅雨の晴れ間の作業

6月5日(日)曇り時々晴れ 参加者5名

●梅雨の晴れ間の第二緑地の様子。日当たりもよく、コナラやクヌギの若葉が茂り、枝もよく伸びています。ナラ枯れ対策のため、コナラやクヌギの幹には「カシナガトラップ」を取り付けて虫の捕獲を試みています。

●こちらはナラ枯れの原因となるカシノナガキクイムシを捕獲するための「カシナガトラ ップ」。2022年5月19日に仕掛けたトラップを外してみたところ、第一緑地で 149頭、第二緑地で219頭の捕獲が確認できました。

●今日取り付けたばかりのトラップに、数十分の間にすでに10頭程度カシナガが掛かっ ていました。元気なコナラが集中攻撃(マスアタック)されている様子が分かります。

●第二緑地の住宅との境界は、見事に藪化していました。タケニグサ、アカメガシワ、孟宗 竹を中心に剪定・伐採を行いました。この季節ですから、また来月には再びブッシュになり そうです。

●剪定後の枝葉は、第一緑地中央裸地のコンポストの柵にも利用しました。ニホントカゲ がスルスルっと柵をすり抜けていきます。動物・昆虫の住処として活用されて嬉しいですね。

(内堀)


カニ山の会 トラップチェックも欠かさずに

6月11日(土)曇り 参加者13名(公園課職員1名を含む)

5月の活動日が雨天だったこともあり夏草の繁茂が更に進んでいる。今日はとりわけ目立つ東樹林東の住宅地に隣接しているエリアの草刈りに専念することとした。

刈草の処分については会メンバーのみの労力で市役所担当課の指示通りに行うのは無理もあり、本日の作業は草刈りに徹し、刈草の搬出廃棄はせずエリア内にまとめて放置(山積み)することにした。

午前中は13名もの人数で行ったが、やはり斜面下部、西園路境界などまだやり残しも見られる。一応会としての作業は午後もあるが、各人様々な都合もあり昼食後残ったメンバーで刈草を集め西側に山積みした。

山積みした数日後はだいぶカサが減っていたが、これだけの量を置いておくには場所が必要。

住宅に接する場所は特に景観や陽当たりに配慮し、塀沿いの樹木は伐採するようにしており、そこに「ここはな」の会員が在来種で花の咲く野草を育てるようにしている。今回はホタルブクロがすばらしく、満開。

昼休みにカシナガトラップのチェックをしたところ、東樹林内にも500匹以上がかかっているトラップがあり、数人は後片付け作業の代わりにトラップチェックを行い、ここ数日でカシノナガキクイムシの活動が急激に増加していることを確認した。

今日は職員の方に参加してもらったことで、作業の実態を知っていただけたのは良かった。今後も他の職員の方にも参加していただいて、よりよい協働の方法を見つけていきたい。

次回は土砂流れで少しずつ崩れている通路の杭打ち土留め作業を行いたい。そのためには足場の悪い狭細路用のキャリーが欲しい。また動力使用の刈り払い機も使わせてもらいたい、など行政への要望もあるがボランティア団体間の話し合いも必要となる。

(S&K)


入間・樹林の会

6月19日(日)晴れ 参加者6名

はじめに5月に設置したトラップの様子を確認した。1本のシラカシの木の周りをカシナガキクイムシが飛び回り、フラスが散乱していたので、殺虫剤を撒いてみたら効果もあった。トラップ8か所のうち、3か所に虫が入っていた。カシナガブロックを塗布した木にもフラスが散乱していた。坂道の水留め柵設置班と雑木林広場のアズマネザサ刈りの2手に分かれて作業した。

アズマネザサは何度も刈っているので柔らかくなっていて刈り取りしやすかった。アジサイは今年よく咲いていた。花はアジサイ、ドクダミ、ムラサキシキブ、ドクダミの白い花が目についた。

ムラサキシキブ花
アジサイ
カシナガキクイムシのフラス(シラカシ)
伐採した切り株にキノコ
ヘビの子
アズマネザサ刈りの様子

(安部)