2023年6月の雑木林

若葉緑地の会 カシナガは見逃してくれなかった

定例活動日の11日が雨で、作業を行わなかった。

人間が活動を休んでも、カシナガキクイムシは動きを止めてくれず、第3緑地では大坂沿いのシラカシなど少なくとも3本にフラスが発生。それを見つけた若葉の森3・1会の衛藤さんがカシナガトラップを取り付けたり、ビニールシートを巻いたりして対策を講じてくださった。今のところ葉の枯れは見られない。2本は大坂(市道)の脇に生育する大樹なので、ナラ枯れ起因の倒木による事故は絶対に防がなくてはならない。

フラスが発生したシラカシとカシナガトラップ

例年、梅雨時の雨とともに姿を見せる、サガミランが昨年と同じ2か所で盛大に群生。葉を持たず、基本的に光合成を行わない菌従属栄養植物。モヤシの豆を思わせる形の蕾が割れて、なるほどこれもラン科だと思わせる花のつくりが見えている。

サガミラン

スミレ類の「保護区」ではタチツボスミレの草丈が見違えるように伸び、茶色くなった果実が葉の上に見える。3つに裂開して種子をすでに散布した果実もある。しかし、隣り合って生育するマルバスミレの果実は何故か見つけられないでいる。(大村)


カニ山の会 下草・低木整理

6月10日(土)曇り 参加者7名

 今日は天候がはっきりしないせいか参加者が少ない。全員で東樹林上段の整理をする。

 昨年度はカシノナガキクイムシ被害のため、市からの委託業者が大木を何本か伐採し林内が明るくなった印象があった。それが若葉の季節を経て沢山の葉が茂り、まだまだ明るい樹林とは言いがたいようだ。見渡したところ、ササなどの下草はそれほどはびこっていないがモミジイチゴやタラノキ、コブシ、その他の常緑樹などが葉を茂らせている。

 これらは邪魔にならない程度に枝を払い、ツバキ・ユズリハなど2~3mくらいになった常緑樹は伐採した。枝を落とす際は市に要望を出した太枝切りバサミを使用。女性でも太目の枝を難なく切れる優れ物。

作業前
作業後

 直径10㎝足らずだろうか。大木からやや離れたユズリハを伐採しただけでもかなり明るさを感じる。

 来週の土曜(6/17)は調布市の環境フェア。例年、環境市民会議ブースで丸太切りを開催しているのだが、伐採した若いユズリハの幹が丸太切りに最適な太さに見えたので念のためフェア用に確保しておくことにした。

●この1番細い物が子供の丸太切リに最適かな?

その他

●細くて高い樹木の頭を詰めたり…。ひっかかっていた枝を落としたり…。

 昼頃には樹林中央ほか数か所に伐採枝などの山ができた。蒸し暑い天候の上、参加者も少なく今日はここまでの作業とした。

●天気が良ければ数日でぐっと嵩が減るのだが、この時期ではどうだろう。

●気づけば小さなヤブコウジがたくさん花を咲かせている。

 「終わりにするよ~」の声に「オカメヅタの引き抜をしていたけど最後のところの硬くて太い根が抜けな~い」の返事に助け舟をだしたが、かなりの曲者でやはり抜ききれない。テープで印をつけて、さらに葉が出てきたら根気良く退治することにした。

臨時作業 根回し

6月25日(日)曇り時々晴れ 参加者21名

キャンプ場北、ドングリの森とよんでいる場所の樹木の根回し。10年くらい前 にイベントとして小さな苗を植えたが今では4m超えのサイズとなり小さなエリアが込み合っている。冬季に5~6本の移植を計画しているが発根を促進させる事前処置として、今日は(この季節)根切り(根回し)ををする。

かなりの力仕事となるため他の会に助力を呼びかけると共に、指導を仰ぐ造園会社の方、そして公園課職員にも実作業を見ていただくよう声掛けをした。全員自己紹介の後、作業説明を聞く。

造園家の方にみていただきながら作業エリアの中から主な樹種であるコナラ(2)、イロハモミジ(2)、コブシ、クヌギの6本を選定。

面はがし(根本の周りの雑草などを除く)をし、根際(芝付き)の円周をヒモなどで測る。 根際から“円周の半分の長さ”離れた幹回りにマーク線(根鉢の外縁)を描く。 マーク線に沿って溝を掘り進め太い根が出てきたら3~4本を支えとして残し、樹の下へ向かっておわん型に掘り進める。

全員が5か所に分散し言われた通り掘っていくがなかなか太い根が現れない。どうしても根鉢を大きめに残しがちなので、時々ようすを見ながら「残す」と決めた以外の根は 切り落とす。

昼頃ようやく太い根が出揃い、根の10㎝ほどの皮を剥ぐ。(環状剥離:太根の途中から発根させるため) 女性は4人の参加だったが、女性3人で担当した樹の根回しは若い男性には遠くおよばず、ほぼ手助けしていただいてようやく皮はぎの工程までこぎつけて昼休み。

午後は埋め戻し作業。職員を始め6人ほどが都合で撤退。支えの根が足りない木には斜めに支柱を添える。その後土と水を交互に入れながらつつき棒で空気を抜き作業をすすめたがホースが届かず水の運搬に一苦労。 最後は水極め、樹の廻りに土手を作って水を入れた。

3時頃ようやく5本終了。1本残ってしまったが様子を見ることとする。 ターフのおかげで涼しい休憩もでき、全員疲れても満足の表情。年明けの移植が楽しみ。(K&S)


入間・樹林の会

6月18日(日)晴れ 気温32℃ 参加者7人

作業を分かれて行った。6月の雑木林ボランティア講座でもスズメバチがいたそうなので気をつけて作業した。①三角地樹林地側入り口の下草刈りと民家側とのアジサイ群落の下草刈りの続き、②マテバシイ広場のクズバスターと民家横側溝の下草刈り、③坂道横にセンダン他の移植、④通路整備、⑤カシナガトラップの水抜きなどの作業を先月に引き続き行った。とても蒸し暑い日だったので30分に1度水分補給の休憩を行ったが、広い樹林で分かれて作業のため、今後は呼笛かで喚起が必要かもしれない。

三角地入口の白アジサイの群落周辺の下草刈りでアジサイが咲いているのが目立ち、民家からも通路とわかる緩衝帯ができてよかった。景観的にもグッドジョブである。マテバシイ広場の民家横のクズの伐採で藪化が防げ、スズメバチを恐れての作業ができなくなることはなくなったのではないかと満足した作業である。また、久しぶりにマテバシイ広場でキランソウが咲いているのを発見できたことも喜ばしい。10か所(上下にも)のカシナガトラップにはカシナガキクイムシがたくさん入っている木もあり、入口のご神木のシラカシをはじめ今後が心配でもある。坂横の斜面地に土留めを目的としてセンダン・ヤブランなどの植え替えと坂道を歩く人たちが楽しめるようアジサイの挿し木も試してみたが、効果を期待したい。散歩する人たちの活動中、樹林地内では、アオゲラが巣作りをしているのか、姿は見なかったが鳴き声をあちこちできくことができた。(安部)

樹林地の緑の濃さをみながら隣の駐車場で準備体操
民家横とアジサイ群落の下草刈り完了
目立ってきたアジサイ群落
三角地手前草刈り後
カシナガキクイムシトラップ調査
ざるに入ったカシナガキクイムシ
マテバシイ広場で久しぶりのキランソウ
白い花が多い中、カタバミのピンクが可愛い
ツユクサ

若葉3・1会 初夏の美しい森

6月4日(日)晴れのち曇り 参加者9名

初夏の若葉の森は、イヌシデ、ケヤキ等の落葉樹や、シラカシや孟宗竹等の常緑樹の若葉が生い茂り、黄緑がとても美しかったです。この4月以降、新たに活動に参加してくれるメンバーが数名増えました。皆さん、雑木林内の動植物の様子や、近隣との関係性等について関心を持ってくださり、熱心に作業に参加してくださるのでとてもありがたいです。

第一緑地から第二緑地へ続く通路は、竹や雑木の枝が元気いっぱいに生い茂っていました。

枝葉を剪定し、歩行者が歩きやすいように整えました。

六別坂の落ち葉かき。シラカシ等の常緑樹が落葉した上に、連日の雨で土が流れ出ていました。竹ぼうきでは上手くかき出せず、熊手を使いました。濡れた落ち葉や土を運ぶのがかなり重労働で、男性陣にも協力を仰ぎました。

第一緑地の斜面を流れ落ちた土が、六別坂下入り口に設置している浸透ますの上に溜まって、浸透ますが見えなくなっていました。網目に詰まった泥も丁寧に落としましたが、この設置場所や構造だとすぐに泥が堆積してしまうので、定期的な点検が必要そうです。

第二緑地の宅地造成地との境界付近で、4月下旬から5月上旬にたくさんの黄色い花を咲かせたキンラン。この数年でかなりの株数が増えましたが、キンランの株元に挿した竹の目印を皆でカウントし直したところ、84株確認できました!里山の象徴であり、絶滅危惧種であるキンランを、若葉の森でも守っていきたいです。(内堀)