2020年6月の雑木林

調布市から「保全活動再開」の連絡

新型コロナウィルス感染防止のため4月13日、調布市から「市民団体による崖線樹林地保全活動についても、5/6までの活動の中止」要請が出ました。これにより5月中も各団体とも団体としての活動は休止しましたが、6月5日に「緊急事態宣言解除に伴い,崖線樹林地の保全管理活動の再開をお願いします」との連絡が調布市からありました。ただし、「体調の悪い時は活動に参加しない。手洗いの徹底とマスクの着用、身体的距離の確保(3つの密)を避ける等の行動を徹底。マスク着用による熱中症に十分注意」することが条件です。6月はこれを踏まえて、各団体の活動が再出発しました。


カニ山の会

2月以来4か月ぶりの活動となりましたが、6月13日は雨で中止、延期した翌14日は開始と同時に雨が降り出し午前中で終了、追加実施した6月20日の作業でようやく「密林」に光が差しました。

伐採

薮蚊を気にしながら作業をする憂鬱な季節ですが、小さな命を見つけてはふと手を止
める楽しみもあります。(安田)

カマキリ
カタツムリ

若葉の森3・1会 斜面裸地の土留め補強など

6月7日(日)曇りのち晴れ 参加者7名

 第1緑地の中央の斜面は、雨のたびに土が流れ落ち、植物も育たない裸地となっている。その対策として、土留めを約2m間隔に設置した。なお、第1緑地の裸地に自然に草の芽が数多く出てきた。注意深く様子を見る。

 隣地境界のアカメガシワ等がこの2か月間で住宅に接触しそうなほど生い茂ったため、伐採した。

 コロナ禍で5月の定例の活動は中止になったが、多くの作業が有志により実施された(第1緑地:土留めチップ敷き、コンポスト柵補修、東側土留め、粗朶柵製作、第2緑地:西側竹柵土留め、西側竹柵設置など)

 子育て中のカラスが人を追い払おうと攻撃してくる季節になったため、注意喚起のポスターを掲示した。(UNOK)

第一緑地中央裸地土留め作業
隣地境界アカメガシワなど伐採(左:作業前、右:作業後)
ネズミモチ ハナバチが吸密中 (第1緑地)
子育てカラスに注意(第1緑地)

若葉緑地の会 本格的な降雨に備えて

6月14日(日)、4月から休止していた定例日の活動を再開しました。参加者は4人。関東地方は11日に梅雨入り。この日も曇りから小雨模様となったので、1時間半ほどの活動で早仕舞いしました。作業は、北側住宅地との間の道路脇にたまった落葉や泥を除去し、強い雨の時、側溝内に流入するのを予防。散策路の階段横木の補修。中段の笹刈りなども。

北側の道路側溝に落葉や泥が流れ込まないように除去

第3緑地上段入り口近くのアカメガシワに花が咲きました。雌雄異株(しゆういしゅ)で、この木は雄のようです。アカメガシワは樹林の伐採跡などに先駆けて生え、成長が速いパイオニア植物。第二緑地のシラカシ伐採跡にもニョキニョキと生えて、新設住宅地にすぐ越境してしまいます。3月下旬、その名の由来である「赤色の芽」が、遅い雪の中で寒風に揺れていたのを想い出しました。成木の花を見ても、この新葉とはなかなか結びつかず、植物図鑑で同じ植物と確かめました。

アカメガシワの雄花
アカメガシワの新葉

2020年3月29日、雪の日、アカメガシワの新葉。右手奥の葉に載っているのは、落ちてきたイヌシデの花と思われる。(大村)


入間・樹林の会

 6月21日(日)曇り、参加者9名。6月より来年3月まで入間地域福祉センターが使用できないため、倉庫内の道具を全てだし在庫調べを行いました。その後、鎌や剪定ばさみなどの刃物類をはじめとしてカケヤ・スコップなどの必要最小限の道具類を、樹林地内に設置した小型物置に移動しました。セブンイレブン財団の助成金で購入した竹伐採等の道具について、初めてみたメンバーもいて在庫点検とどのような道具があるかの共有ができました。

 樹林地内の巡回時には、通路側のアオキを伐採してそのまま樹林地に投げ入れてあるのを見つけ、メンバーが緊急事態宣言下にシャガの広場の長年の課題であった伐採枝だめの枝を葉と枝に分けてくれた丁寧な作業との違いを確認しました。アジサイが見頃になり楽しませてくれましたが、その横の三角地の下草刈りや、民家横の下草刈りをはじめ雑木林広場の上下の笹刈りなどの優先作業が多いこともみんなで共有しました。これから暑くなるので熱中症にならないように注意が必要です。(安部)

あじさい
ガ毛虫?
伐採枝片づけ
火気厳禁看板
道具在庫

2020年5月の雑木林

新型コロナウイルス感染拡大防止のため調布市の指示によりほとんどの雑木林は定例作業を中止しました。


入間・樹林の会

 5月17日 新型コロナウィルス感染防止対策による緊急事態宣言が発令されていたが、10人の参加者で植生調査を行った。7月から地域福祉センター改修工事のため使用できないとのこともあり、はじめに物置の組み立てを行い、落ち葉だめに設置し周辺のドクダミなどの下草刈りを行い整備した。

 その後植生調査を行ったため、2丁目樹林地の植物観察は中止した。ほかにゴミ拾いや、みつかったギンラン3株を仮の保護柵で囲った。シャガの広場のケヤキが伐採されていたためとても明るくなっていた。(安部)

3密を避けて植生調査
カブトムシ幼虫
ガマズミ花
ケヤキ伐採

カニ山の会

3月は雨天中止、4、5月も月に一度の定例作業は中止となり、実に4か月近くまとまった作業を行えていない状態です。

久しぶりに足を踏み入れた林の中は、すっかり強くなった日差しの下に心地よい木陰を提供してくれるようになっていました。

「4か月放置されている割には荒れていない?」と思いきや、実は写真とは別の場所では草が伸び放題になり、活動休止期間中にも一部の有志メンバー数人が単独で草刈りを行いました。

カニ山の近くでは田植えの準備も始まりました。6月はなんとか作業が再開できそうな様子です。雑草と戦う暑い夏がやってきます。(安田)

田んぼ

若葉の森3・1会/若葉緑地の会

金銀の共演

 大型連休の間に花が終わってしまった株も多いキンランに対して、ギンランは5月になって開花。しかし、近年の減少傾向に歯止めがかからず、確認できた株数はひと桁でした。

 そういう中で嬉しかったのは、ギンランがこれまで生育しなかったエリアで見つかり、しかも「銀」と「金」の共演がみられたこと。まるでキンランに守られるようにギンランが咲いていました(下の写真 5月5日撮影)。両者の大きさやたたずまいの違いも分かります。

金銀共演

 ギンランは主に第一緑地で生育してきましたが、森の一部をなしていた隣地(民有地)の宅地開発によって最も大きな環境変化(日照・風当りが強くなり、表土が乾燥・流失)が生じたのが、この緑地でした。3年前からギンランの生育数が急減したのは、この環境変化と無関係とは思えません。

 昨年は同緑地で1株だけ生育。今年も同じ場所で、4月末に地上茎の先端が落葉の間に見えるようになり、5月4日には、白い花が葉の間に顔をのぞかせていました(写真下)。

 ただ、この状態で地上茎の高さはせいぜい3㎝ほど。普通ならギンランでは地上茎を10㎝ほどは伸ばして葉をひろげ、茎の先端に花が分化してくる。ところがこの個体では、茎を伸ばし展葉すること(個体成長)にエネルギーを使うよりも、できるだけ早く花を咲かせること(生殖成長)を優先しているように見えます。生存に危機的な状況があることを感知して、子孫を残すことを急いでいるのでは。

 じつはこの個体、写真を撮った翌日に消えてしまいました。抉り取ったような跡があったので、盗掘の疑いがあります。

ギンラン

この春、ジュウニヒトエ(「4月の雑木林」に写真)とともに生育場所を拡げたのが、同じシソ科のタツナミソウ(写真下)。ホントに北斎が描く立浪みたいです。

タツナミソウ

2つの会の有志 緑深まる樹林で「自主」活動

 「緊急事態宣言」に伴って、調布市と協働する市民団体による保全活動については、市からの要請もあって休止しています。しかし、集団での活動は「自粛」しても、少人数が十分に注意しながら樹林で作業するなら「三密」とはほど遠いので、そういう「自主」活動が「若葉の森」では連日のように行われました。

 とくに大型連休中は、家族連れで緑地を訪れる人が目立って増加。保全活動のかたわら訪問者を見守りつつ、樹林を案内して「もりのちず」を配布するなど、いろいろ好もしい効果もありました。

 作業の成果としても、第一・第二緑地は随所で面目を一新しました。下の写真は、急斜面上部を竹柵で囲い、その内側に倒木を人手で砕いたチップを撒いているところ。踏圧と表土の乾燥を緩和し、表土流失を抑制するのがねらいです。なかなか実行できなかったゾーニング(立入制限して養生する範囲を設定)が進みつつあります。

 もう一枚の写真も、第一緑地の表土流失対策。斜面上部の粗朶柵を補強し、斜面下部には竹材で土留めを設置。いつもやってくる園外保育の子どもたちは「線路ができた!」って喜ぶかも。

第一緑地ゾーニング
第一緑地-竹の土留め

 以上は若葉の森3・1会メンバーの自主活動の成果ですが、若葉緑地の会メンバーによる第三緑地の自主活動では、隣接住宅に近いミズキを伐採。伐ってみると、内部が虫食いでボロボロ(写真下)。伐採を提案したメンバーの眼力に感謝です。

第3緑地ミズキ伐採
「若葉の森」の動画をYouTubeに

 5月24日夕方、大坂から第二緑地に入ると木漏れ日があんまりキレイだったので、動画を撮りながら第一緑地まで歩きました。その動画を試みにYouTube へアップしました。

バックに流れるのは、私が好きなアイルランドの伝統で”Song of the books”。

英国統治下、左遷された田舎の校長先生が、大切な蔵書を海難事故で失った悲しみを歌った曲。楽器はアイルランドの縦笛で、吹いているのは大村です。音もリズムも外して、それが味になっていませんか。 (大村)